子どもが楽しく絵の具遊びをしていると思ったら、気がついたら服や床、カーペットに絵の具がベッタリ…そんな経験、きっと一度はあるはずです。
落とそうとしてもなかなか取れない、素材によっては色が染みてしまう…。
実は、絵の具汚れには「正しい落とし方」と「やってはいけないNG行動」があるんです!
本記事では、家庭にあるアイテムでできる簡単な汚れの落とし方から、プロに頼む前に試したい裏ワザ、さらに予防・片付けの習慣づくりまで、絵の具汚れを完全に攻略するための全知識をまとめました。
これを読めば、どんな絵の具汚れも怖くありません!
歯磨き粉が効く理由とその仕組み
歯磨き粉には「研磨剤(けんまざい)」が含まれており、歯の汚れをやさしく削り落とす効果があります。
これがポイントで、絵の具の色素も同様に研磨によって表面から削ぎ落とすことができるんです。
さらに、水性絵の具であれば研磨して表面をこするだけで、かなりきれいに落とせます。
歯磨き粉は口に入れるものなので、化学薬品より比較的穏やか。
ただし、製品によっては合成界面活性剤やフッ化物が入っていることもあります。
皮膚への影響や色落ちが気になる場合は、天然成分の研磨剤を使ったペーストタイプを選ぶと安心です。
注意点としては、繊維を傷めやすい素材や色柄ものにはテストが必須ということ。
目立たない裏側などで「色落ち」や「変色」が起きないかを確認した上で使うようにしてください。
また、壁紙や木目の家具など、表面がコーティングされているものはツヤが失われることがあるので、軽く拭き取りできる素材に向いているという性質を覚えておきましょう。
絵の具を落とす実践手順
まずは準備から。汚れた箇所をぬるま湯で湿らせて軽く柔らかくすることで、研磨剤の効果がより発揮されます。
そのうえで、歯磨き粉を小豆粒ほど出し、使い古した歯ブラシや布、手の指の腹で軽い円を描くようにやさしくこするのがポイントです。
研磨の強さが強すぎると繊維を傷める原因になるので、必ず「やさしく」「少しずつ」が基本。
こすり続けて色が浮いてきたら、すぐに水でしっかりすすいでペトペト感を取り除きます。衣類ならその後通常の洗濯へ、家具なら乾いた布で仕上げ拭きしましょう。
もし一度で落ちない場合は、数分そのまま放置してから再度こすると効果が上がります。
それでも落ちにくい頑固な汚れには、歯磨き粉+中性洗剤を少し混ぜてペースト状にし、同じ手順でこするのがおすすめです。
歯磨き粉以外で代用できる身近なアイテム
歯磨き粉が手元になくても落としやすいアイテムが家庭にはたくさんあります。
代表的なのは「重曹」。水と混ぜてペースト状にすると、軽い研磨効果で汚れをやさしく落とせます。
他にも「食器用中性洗剤」は汚れを浮かせる性能があるので、水性絵の具には十分効果がありますし、「クレンジングオイル」や「ハンドソープ」も意外と万能。
特に油性絵の具には、油分を含むクレンジングオイルがとても効果的です。
ただし、これらのアイテムも必ず目立たない部分でテストした上で使いましょう。
素材によっては変色やツヤの変化が起こることがあるため、安全に扱うための事前確認はとても大切です。
使ってはいけない場所や素材とは?
どんなにすごい裏ワザでも、向き不向きがあります。絹・ウールなどのデリケート素材、色柄物の布、光沢のある家具、コーティングされた木製床・壁紙などには使用しない方が安全です。
歯磨き粉に含まれる研磨剤が傷をつけたりツヤを失わせたりすることがあります。
また、紙製品や革製品も変色・傷みの原因になる可能性があるので要注意です。
使いたい場所が「大事なもの」や「修復が難しい素材」であれば、専用クリーナーの使用やプロに任せるのが一番安心です。
子どもでも安心!正しく使うためのポイント
歯磨き粉は日常でも使うものですが、子どもが使う場合は監督があると安心です。
研磨力の強いタイプだと、肌が敏感なお子さんには刺激になることもあるので、天然成分中心のマイルドな歯磨き粉を選びましょう。
また、作業中に手や口に入らないように、大人が見守りながら扱い方を教えるとベスト。
絵の具汚れは自分でも落とせるもの、という経験をさせることで、片付けの習慣化につながり、責任感も育ちます。
絵の具の種類を見分けるコツ
絵の具にはさまざまな種類がありますが、家庭でよく使われるのは大きく分けて「水性」「油性」「アクリル系」の3種類です。
これらの違いを正しく理解しておかないと、間違った方法で汚れを広げてしまうこともあります。まずはそれぞれの特徴と見分け方を確認しておきましょう。
水性絵の具は、学校や幼稚園でよく使われるもので、絵の具が水に溶けやすく、乾くとパリッと固まります。特徴としては「水に弱く、洗いやすい」こと。
チューブやパッケージに「水でうすめて使う」と書かれていれば水性の可能性が高いです。
油性絵の具は、油で溶かして使うタイプで、乾くとつやがあり、固くなります。
水をはじくので普通の水拭きでは落ちません。チューブに「油絵具」や「溶剤で希釈」と表記されていることが多いです。
アクリル絵の具は最近よく使われているタイプで、水で溶かして使いますが、一度乾くと耐水性になります。
つまり「乾くまでは水性」「乾いたらほぼ油性」といったハイブリッドな性質を持ちます。
簡単な見分け方としては、服に付いた直後に「水でにじむ」なら水性、弾くような感触があれば油性かアクリルです。
水性絵の具を家庭で落とす方法
水性絵の具の良いところは、乾く前であれば水や石けんだけで落ちることです。
子どもの服や手、カーペット、机などについた場合は、まず汚れた部分を水で濡らした布でトントンとたたくように拭き取ります。
乾いてしまってもまだチャンスはあります。ぬるま湯に中性洗剤(食器用洗剤など)を少し混ぜて、布に含ませてたたき拭きすれば、かなりの確率で落とせます。
ポイントは「こすらない」「押し出すように汚れを外に出す」こと。
衣類の場合は、部分洗いしてから洗濯機で通常通り洗えばOKです。床や壁なら、仕上げに水拭きをして洗剤をきれいに取り除いてください。
また、家庭にある歯磨き粉や重曹ペーストも研磨作用があるので、固まり始めた水性絵の具には効果的です。やさしくこすって様子を見ながら使いましょう。
油性絵の具に効く!ベンジンやクレンジングの使い方
油性絵の具は、水ではまったく落ちません。そのため、油に溶ける性質を活かして「ベンジン」や「クレンジングオイル」を使うのが効果的です。
ベンジンは薬局やホームセンターでも手に入り、プロのクリーニングでも使われる定番アイテムです。
まず、ベンジンやクレンジングを乾いた布に少量つけて、汚れ部分をトントンとたたくように拭きます。決してこすってはいけません。
汚れが少しずつ浮いてきたら、別の清潔な布で吸い取ります。
ベンジンを使用する際は、必ず換気をしながら、ゴム手袋などで手を保護して作業してください。
また、素材によっては色落ちの可能性があるので、必ず目立たないところでテストしてから行いましょう。
クレンジングオイルは、手肌や衣類の油性汚れには効果的。
メイク落としと同様に、油分を乳化して汚れを浮かせる作用があるので、肌についた油性絵の具にも使えます。
アクリル絵の具には時間との勝負!
アクリル絵の具は、乾くまでは水性、乾いた後は耐水性になるという特殊な絵の具です。つまり、「乾く前の早めの対処が命!」です。汚れてすぐであれば、ぬるま湯と石けんである程度落とせます。
ただし、一度乾いてしまうと、まるでプラスチックの膜のように固まってしまい、かなり落ちにくくなります。
その場合は、歯磨き粉や重曹、ベンジン、中性洗剤など複数の手段を組み合わせて対応します。
たとえば、歯磨き粉で表面を軽く研磨しつつ、クレンジングオイルで中に染み込んだ絵の具を浮かせる、というような方法です。
壁や家具などに付いたアクリル絵の具は、メラミンスポンジでやさしくこすって落とすのも有効ですが、素材を傷つけないよう注意が必要です。
頑固な汚れになってしまった場合は、あえて「上から塗装して隠す」「専用クリーナーを使う」「プロに依頼する」といった判断も視野に入れましょう。
絵の具ごとの「やってはいけない」NG例
汚れを落としたい気持ちが強すぎて、間違った方法を選んでしまうと素材を傷めたり、色が広がったりすることがあります。以下は絵の具の種類ごとのNG例です。
絵の具の種類 | NG行動例 | なぜダメか? |
---|---|---|
水性絵の具 | 強くこすりすぎる | 繊維に汚れが入り込み、逆に定着する |
油性絵の具 | 水だけで拭こうとする | 絵の具が広がって繊維に深く染み込む |
アクリル絵の具 | 完全に乾いてから対応 | 固まって取れず、生地を傷つける |
また、「塩素系漂白剤」を安易に使うのも危険です。
色柄ものや天然素材では、生地の色が抜けてしまったり傷んだりすることがあるため、使用は控えるか、酸素系のものを選ぶようにしましょう。
乾いた絵の具には歯ブラシが有効!
時間が経ってしまった絵の具の汚れは、乾いて繊維や表面にしっかりくっついてしまっています。
この場合、水や布で拭いてもほとんど効果はありません。
そこで活躍するのが使い古しの歯ブラシです。毛先が広がった柔らかめのものを使うことで、素材を傷つけずに汚れだけをかき出すことができます。
まずは、汚れた部分にぬるま湯を少し含ませて、絵の具をふやかすようにします。
その上で、歯ブラシをくるくると小さく回すように動かし、表面をやさしくこすってみましょう。
色が浮いてきたら、ティッシュなどでそっと拭き取ります。繰り返すことで徐々に汚れが薄くなっていきます。
歯磨き粉を少しつけてからブラッシングすると、研磨作用によってより効果が高まります。
ただし、力を入れすぎると繊維や素材が毛羽立ってしまうため、軽く、何度も、丁寧にがコツです。
衣類だけでなく、カーペットや家具の汚れにも応用できますが、素材によってはブラシの摩擦に弱いものもあるので、必ず目立たない場所で試してから行ってくださいね。
ぬるま湯+石けんで固まった絵の具をふやかす
固まってカチカチになってしまった絵の具汚れには、ふやかしてから落とすという方法が効果的です。
方法は簡単で、ぬるま湯に少量の石けん(できれば無香料や肌にやさしいタイプ)を溶かして、そこに汚れた部分をつけ置きします。
衣類や布製品であれば、30分ほどつけ置きすることで絵の具が柔らかくなり、繊維の奥から浮いてきます。浮いてきた汚れは、手でやさしくもみ洗いするか、スポンジや歯ブラシで軽くなでるようにして落としましょう。
この方法は水性・アクリル絵の具に特に効果的です。油性の場合はあまり効果がないため、ベンジンやクレンジングなど別の手段が必要になります。
注意点は、「熱すぎるお湯はNG」ということ。
熱湯を使うと絵の具が逆に繊維に定着してしまう可能性がありますので、人肌程度のぬるま湯(40℃前後)を使用しましょう。
また、石けんの代わりに中性洗剤を使う方法もおすすめです。
界面活性剤が汚れを浮かせやすくなります。家庭にあるものでできるシンプルな対処法として、ぜひ試してみてください。
市販の専用クリーナーを使う判断ポイント
家庭の方法でどうしても汚れが落ちない場合は、市販の「絵の具汚れ専用クリーナー」を使うのが最終手段です。
最近では、家庭向けに開発されたスプレータイプやジェルタイプの製品が多数登場しており、汚れの種類や素材に応じて選べます。
例えば、水性絵の具にはアルコール系スプレーがよく効きます。
スプレーして数分おいた後、布でふき取るだけで汚れが浮き上がってきます。一方、アクリルや油性絵の具には、溶剤系の強力なクリーナーが必要です。
こちらは換気や手袋の使用など、取り扱いに注意が必要ですが、強力に汚れを溶かしてくれる効果があります。
専用クリーナーを使う際は、「どの絵の具に効くか」「どの素材に使えるか」をしっかり確認してください。
誤った使い方をすると素材を傷めたり、変色させてしまうことがあります。
とはいえ、クリーナーは数百円〜千円程度で買えるものも多く、大切な衣類や家具を救えるならコスパは非常に良いです。
「落ちなかったらどうしよう…」と悩む前に、一度検討してみる価値は十分にあります。
それでもダメならプロに任せる選択肢
どうしても家庭で絵の具汚れが落ちないときは、クリーニングのプロに任せるという選択も検討しましょう。
特に、大切な洋服・高級素材のカーペット・壁紙などは、無理にこすってしまうと余計に傷んでしまうことがあります。
クリーニング店では、素材や汚れの種類に合わせて、専用の薬品や機器で対応してくれます。
例えば、油性絵の具には専用の溶剤で処理し、色落ちを最小限にとどめてくれるのがプロの技術です。
持ち込む際には、汚れた経緯をなるべく詳しく伝えると対応がスムーズです。
-
いつ、どこで絵の具がついたか
-
使用された絵の具の種類(水性・油性など)
-
自宅で何を試したか
この3点を伝えるだけでも、より的確な処置をしてもらえます。
料金は汚れの種類や範囲によりますが、500円〜2,000円程度が目安です。
思い出の詰まった服や大切なものを守るためには、十分に価値のある選択肢です。
放置NG!汚れが悪化する前にできる応急処置
絵の具の汚れは、時間が経つほどに落としにくくなります。
特にアクリル系や油性絵の具は、乾くと繊維や表面にしっかりと固着してしまい、こすっても落ちない状態になります。
そんな事態を防ぐために覚えておきたいのが、「応急処置の重要性」。
絵の具がついた瞬間、できるだけ早く行動することで、その後の処理が劇的にラクになります。
まずは、乾いたティッシュや布でポンポンとたたいて絵の具を吸い取る。このとき、絶対にこすらないこと!
次に、水やぬるま湯で湿らせた布でやさしく押し当てて、さらに余分な絵の具を浮かせましょう。
もし出先で対応ができない場合は、ラップで覆って乾燥を防ぐだけでも後の対処が変わります。
特にアクリル絵の具など、乾燥が早いものはこの一手間で落ちやすさがぐんと変わります。
「汚れたまま何もせず放置」は一番のNG行動。気づいた瞬間の一手間が、素材を守る最善策になります。
カーペットの素材別落とし方(ウール・ポリエステルなど)
カーペットに絵の具がついてしまったとき、慌ててこすってしまう人が多いですが、それは逆効果です。
まずは素材別に正しい落とし方を把握することが大切。以下に代表的な素材ごとの対処法を解説します。
ウール製カーペットは繊維がデリケートで水に弱いため、まずは乾いた布で絵の具を吸い取った後、中性洗剤をぬるま湯に薄めてたたき拭きをします。
強くこすらないように注意してください。
ポリエステルやアクリル製カーペットは比較的丈夫なので、歯磨き粉や重曹を使ってこすってもOKです。
歯ブラシやスポンジで軽くこすることで、奥に入り込んだ絵の具も落としやすくなります。
綿や麻素材のラグは水に強いので、水性絵の具であればぬるま湯+石けんである程度対処可能です。
ただし、柄物や濃い色のものは色落ちのリスクがあるので、目立たない部分でテストしてから使うようにしましょう。
また、絵の具が乾いて固まってしまった場合は、ベンジンやアルコールスプレーを使うのも有効です。
ただし、使用時は必ず換気をし、使用後は水拭きをして残留成分を除去してください。
フローリングや机に絵の具がついたときの処置法
フローリングや木製の机に絵の具がついた場合は、早めの対応が命です。
水性絵の具なら、まだ乾いていないうちに水で湿らせた布で拭き取るだけでOK。乾いてしまう前なら、この一手間で完全に防げます。
乾いてしまった場合は、ぬるま湯を布に含ませて汚れ部分に押し当ててしばらくふやかすのが効果的。数分おいた後に、歯磨き粉をつけた布や歯ブラシで軽くこすってみましょう。
木製の素材はこすりすぎると表面のワックスや塗装がはがれることがあるため、強く擦らないよう注意が必要です。
どうしても落ちない場合は、メラミンスポンジを軽く使う方法もありますが、こちらも必ず目立たないところで試してください。
また、油性絵の具の場合はベンジンやクレンジングオイルを使用する方法もあります。仕上げには中性洗剤を使って水拭きをし、ベンジンの成分が残らないようにしてください。
机の場合は、表面の素材によって使える薬剤が異なるため、ラミネート加工や無垢材などに応じた対処法を選ぶのがポイントです。
壁紙・畳についた絵の具の対処と注意点
壁紙や畳はとてもデリケートな素材なので、間違った落とし方をすると逆にシミになったり、素材が傷んでしまったりします。
まず、壁紙に水性絵の具がついた場合は、ぬるま湯を含ませた布で「こすらず、たたくように」拭き取ります。
乾いてしまった場合は、メラミンスポンジを軽く当ててこする方法が有効です。
ただし、柄物や紙素材の壁紙はメラミンスポンジでこすると色が落ちる場合があるので、必ず目立たない部分でテストしましょう。
油性絵の具が壁紙についた場合は、家庭での対処がかなり難しくなります。
ベンジンなどの強い溶剤は素材を傷めるため、部分的な張り替えや補修シールで隠すという選択肢も検討すべきです。
畳の場合は、水に弱く変形しやすいため、水を大量に使うのはNGです。
まずは絵の具を乾かしてから、削り取るようにカッターの背などでそっと削るのが基本。その後、ぬるま湯+中性洗剤を含ませた布で軽くたたき拭きします。
畳や壁紙の汚れは、無理に完全除去しようとせず、見た目を目立たなくする方向での対応も選択肢に入れておきましょう。
広がる前にできる応急対応のテクニック
絵の具の汚れは、対応が1秒でも早いほど落としやすくなるものです。
とくに子どもが使う絵の具は、どこに飛び散るかわかりません。
そんなときの応急対応術を覚えておくだけで、掃除の手間が大きく変わります。
汚れたらまずやるべきは、ティッシュや布で「押さえる」こと。
けっしてゴシゴシこすらないことが重要です。
水性絵の具の場合は、すぐに水でぬらした布でたたくようにすれば、跡が残らず落とせるケースが多いです。
出先で水が使えない場合は、ウェットティッシュを使って湿らせるだけでもOK。乾燥を防ぐために、上からラップをかけておくとさらに効果的です。
また、床やカーペットに広がらないよう、新聞紙やタオルを周囲に敷くことも応急対処として有効です。
すぐには掃除できない状況でも「広がらせない」「乾燥させない」の2点を意識すれば、あとでしっかり落とせるようになります。
落ちないときのDIY修復術
絵の具汚れがどうしても落ちない…。そんなときは、「目立たなくする」か「隠す」という方向に考えをシフトしてみましょう。
たとえば、フローリングや木製家具であれば、色付き補修クレヨンを使って汚れの上からなじませることで、見た目をきれいに整えることができます。
100円ショップでも手に入ります。
壁紙の場合は、同じ模様の補修用シールやステッカーを使って隠すのもひとつの手です。
最近では、かわいいデザインのシールでアレンジすれば、おしゃれに「事故を演出する」ことも可能です。
畳の汚れには、畳用の補修テープを使って傷んだ部分を補修したり、思い切って一部分だけ交換するという手もあります。
DIYショップや畳専門店で材料がそろいます。
完璧に消すのが難しい汚れでも、「工夫して見せないようにする」方法があると、落ち込まずに対応できます。
汚れを隠すアイデアも生活スキルのひとつとして覚えておくと便利です。
素材別(綿・ポリ・ウール)の正しい洗い方
衣類についた絵の具は、素材によって対応方法が大きく異なります。
間違った洗い方をすると、汚れが定着したり、生地が傷んでしまったりすることも。
ここではよく使われる衣類素材3種類に分けて、正しい対処法を解説します。
まず、綿(コットン)素材。Tシャツや子どもの制服、ハンカチなどによく使われています。綿は吸水性が高いので、乾く前の対応が最重要。
ぬるま湯で軽くもみ洗いし、歯磨き粉や中性洗剤を使ってこすれば、比較的簡単に絵の具は落ちます。
乾いてしまった場合でも、30分ほど石けん水につけ置きすることで、繊維から汚れを浮かせることができます。
次に、ポリエステル素材。
体操服やジャージなどに多く使われており、汚れがつきにくく乾きやすいのが特徴。
ただし、表面がつるっとしているため、油性やアクリル絵の具が密着しやすいという弱点があります。
落とすには、歯磨き粉+クレンジングオイルなどの併用がおすすめ。軽くもみ洗いして、通常の洗濯にかければかなりきれいになります。
そして最も注意が必要なのが、ウールやシルクなどの天然素材です。
これらは水や摩擦に弱く、自宅での処理は難しい場合が多いです。
汚れた場合は無理にこすらず、応急処置のみにとどめて、クリーニング店に相談するのが安心です。
どの素材でも「乾く前に対応する」「摩擦は最小限」「色落ちの確認をする」の3点を守ることが大切です。
外出先でもできる応急処置のコツ
絵の具汚れは、家の中だけで起きるわけではありません。
学校行事や習い事、外出先などで突然服に絵の具がついてしまったとき、家に帰るまで放っておくと落ちにくくなってしまいます。
そんなときに役立つのが、外出先でもできる応急処置の方法です。
まず、水性絵の具であれば、すぐにティッシュやハンカチでポンポンとたたいて吸い取ることが重要。
こすると汚れが広がってしまうため、「たたく」が基本です。
次に、トイレなどで水が使える場合は、ぬらしたハンカチやティッシュで軽く押し当てて、さらに汚れを浮かせましょう。
もし手元にウェットティッシュがあれば、それを使ってやさしくふき取るのも効果的。アルコールタイプは避けて、ノンアルコールのものを選びましょう。
また、最近では100円ショップなどでも手に入る「携帯用しみ抜きシート」も非常に便利です。
小さくて軽く、ポーチに入れておけるので、いざというときにサッと使えます。使い方はシートを広げて、汚れ部分をトントンと叩くだけ。
乾く前ならこれだけでもかなり汚れが落ちます。
帰宅後は、応急処置の効果を高めるためにも、なるべく早く本格的な洗濯やつけ置きを行いましょう。
洗濯機・乾燥機の注意点と漂白剤の使い方
絵の具汚れがついたまま、何もせずに洗濯機に放り込んでしまう…。
これ、実はよくある失敗です。洗濯機の中で絵の具が溶けて他の服に移ったり、繊維の奥に汚れが押し込まれたりすることがあるからです。
洗濯機に入れる前には、必ず部分洗いをして、できるだけ汚れを落としてから回すようにしましょう。
ぬるま湯と中性洗剤を使ってもみ洗いしたり、歯磨き粉でこすって汚れを浮かせておくことで、洗濯機の負担が軽くなります。
また、乾燥機の使用も要注意。絵の具汚れが完全に落ちる前に熱を加えると、汚れが繊維に定着してしまい、落とせなくなることがあります。
乾かすなら自然乾燥(陰干し)がベストです。
汚れがどうしても落ちない場合は、漂白剤を使うという手もあります。
ただし、使用するのは「酸素系漂白剤」に限りましょう。塩素系は強力すぎて、色柄ものの衣類が色落ちしてしまいます。
酸素系漂白剤は、ぬるま湯に溶かしてつけ置きする方法が基本です。
30分〜1時間ほどつけてから、軽くもみ洗いし、しっかりすすいでから洗濯してください。洗濯表示をよく確認し、使用前には必ず目立たない場所でテストしましょう。
落ちないときの応急補修&あきらめ防止テク
頑張って洗ってもどうしても落ちない…そんなときも、諦める前に「見た目を整える補修テク」を試してみましょう。
たとえば、白いシャツに残った絵の具汚れ。完全には落ちなくても、ワッペンや刺しゅうで上から隠すという方法があります。
100均や手芸店でかわいいデザインのものが手に入るので、ちょっとしたアクセントとして活かせます。
また、制服など目立つ部分に汚れが残った場合は、同系色の布でパッチワーク風に縫い付けてリメイクするという手もあります。
応急補修とはいえ、オリジナルのデザインとして楽しめるなら気持ちもラクになりますよね。
それでも対処が難しい場合は、プロのリフォームサービスに相談するという手もあります。
最近では、洋服の修理・補色専門の店舗やサービスも多く、リーズナブルな価格で高い技術が期待できます。
「お気に入りの服=長く使いたい服」ですから、最後まであきらめずに選択肢を探すことが大切です。
絵の具がつく前に!予防アイテム活用術
絵の具汚れ対策で一番効果があるのは、実は「つかないようにすること」です。
つまり、予防が最大の掃除術とも言えます。おすすめのアイテムをいくつかご紹介します。
まずは定番の「スモックやエプロン」。
子ども用にはかわいいデザインのものが多く、100円ショップやネット通販でも手に入ります。長袖タイプなら腕までカバーできて安心です。
次におすすめなのが「撥水スプレー」。
制服やズボン、靴下などに事前にスプレーしておくだけで、絵の具が染み込みにくくなります。
使う際は必ず屋外でスプレーし、乾かしてから着用するようにしましょう。
さらに「防汚シートや新聞紙」を作業スペースに敷いておけば、床や机への飛び散りも防げます。
使い終わったら丸めて捨てるだけなので後片付けも簡単です。
これらを習慣にしておくと、「あーまた汚れちゃった…」というストレスから解放されます。
楽しく絵の具遊びをするためにも、予防策を取り入れてみましょう。
こすりすぎは逆効果!生地や素材を傷める理由
絵の具汚れに気づいたとき、多くの人が反射的にやってしまうのが「ゴシゴシこする」行動。
ですが、これは汚れ落としのNG行動の代表格です。
なぜなら、絵の具は表面に付いているように見えて、実は繊維や素材のすき間に入り込んでいることが多いからです。
そこを強くこすってしまうと、汚れがさらに深く押し込まれ、余計に取れにくくなってしまいます。
とくに衣類やカーペットなどの布素材は、毛羽立ったり繊維がほつれたりして、汚れ以上にダメージが目立ってしまうこともあります。
せっかく汚れを落とせても、生地がボロボロになってしまっては本末転倒ですよね。
また、木製の机やフローリングなども要注意。
コーティングが施されている表面を強くこすると、ツヤが失われて白っぽくなったり、傷が入ってしまったりすることがあります。
特にメラミンスポンジなどの「研磨タイプ」の道具を力いっぱい使うと、一度で取り返しがつかない傷を作ってしまうことも…。
正しい対処は「こすらず、たたくように、少しずつ」落とすこと。
絵の具が乾いてしまっている場合は、まずぬるま湯や石けんでふやかす工程を入れてから軽く拭き取るのがコツです。
塩素系漂白剤が使えない素材とその理由
「落ちないなら漂白剤を使えばいいじゃない!」と思いがちですが、安易な漂白剤の使用は非常に危険です。
特に塩素系漂白剤は要注意。色柄物の衣類、ウール・シルクなどの天然素材には絶対に使ってはいけません。
塩素系漂白剤は強力な漂白力を持っており、真っ白なタオルや下着には有効ですが、色つきの布に使うと、絵の具の汚れだけでなく、生地本来の色まで一緒に抜けてしまうのです。
さらに、衣類以外でもカーペットやカーテンなどにも使用してしまうと、生地が変色したり、薄く溶けてしまうようなダメージを受ける可能性があります。
また、フローリングや壁などに使った場合、コーティングをはがしてしまうなど深刻な影響を及ぼすことも。
安全に使いたい場合は、「酸素系漂白剤」を選びましょう。
これは生地に優しく、比較的広い素材に使うことができます。
ただし、これも万能ではありません。素材によっては酸素系でも色落ちの可能性があるため、必ず目立たない場所でテストしてから使うことが大切です。
「強い洗剤ほど効果がある」という思い込みを捨てて、素材に合った方法を見極めることが、失敗を防ぐカギになります。
ドライヤーやアイロンで乾かすと失敗するワケ
汚れた服を洗った後、早く乾かしたいからとドライヤーやアイロンを使ってしまうのも危険な行動のひとつです。
なぜなら、絵の具汚れが完全に落ちきっていない状態で熱を加えると、熱によって汚れが繊維に定着してしまい、完全に落ちなくなってしまうからです。
これは特にアクリル絵の具や油性絵の具で起きやすい現象で、乾かすことで「プラスチックのように固まる」性質があるため、熱を加えると逆に汚れが密着し、落とせる可能性がゼロに近づいてしまいます。
また、アイロンを直接かけた場合、生地の上で絵の具が溶けて広がってしまったり、アイロンの底面に色が移ってしまったりするトラブルもあります。
それが他の服に色移りする原因になることも…。
乾かすときは、なるべく自然乾燥を選ぶことが基本です。
できれば風通しの良い場所に陰干しして、絵の具が熱で固まらないように注意しましょう。
洗った後の「乾かし方」ひとつでも結果が大きく変わります。焦らず、きれいに仕上げるためには、丁寧な乾燥が欠かせません。
汚れたまま放置することで起こる3つの悪影響
「ちょっと汚れたけど後でやろう…」「忙しいから明日洗えばいいや」
その“後回し”が、絵の具汚れを最も厄介にする要因です。
絵の具を汚れたまま放置すると、次のような悪影響が起こる可能性があります。
-
汚れが定着して落ちにくくなる
特にアクリル系や油性絵の具は、乾くと耐水性の膜を作ります。一度その膜ができると、水では全く落ちなくなってしまうため、落とすのに強力な溶剤が必要になります。 -
他の洗濯物に色移りする
放置したまま他の服と一緒に洗濯してしまうと、絵の具の成分が溶け出して他の服に色移りする恐れがあります。お気に入りの服が台無しになる前に、単独での処理を行うことが重要です。 -
異臭やカビの原因になる
湿った状態で長時間放置すると、カビやにおいの元になることも。とくに洗面所やカゴの中で何日も放っておくのは避けましょう。
大切なのは、「汚れたらすぐに対応する」こと。忙しい時でも、応急処置だけはすぐにしておくことで、後の手間と損失を大幅に防げます。
他の衣類や素材への色移りリスク
絵の具汚れのもうひとつの怖さは、「他のものに移る」という点です。
乾いたと思っていても、洗濯機の水や熱で絵の具が再び溶け出すことがあり、それが他の衣類に色移りする原因となります。
特に油性やアクリル絵の具は、熱や水に反応して粘着性が戻ることがあるため、白い服や明るい色の衣類にシミが残ってしまうことも少なくありません。
このようなトラブルを防ぐには、以下の3つの対策が有効です。
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汚れた服は他の衣類と分けて洗う
-
洗濯前に汚れをなるべく落としておく
-
洗濯機ではなく、手洗いで様子を見てから乾燥させる
また、フローリングや机に広がった絵の具が、雑巾や手などを通じて他の場所に移ってしまうケースもあるので、掃除中の使い捨て手袋や、こまめな手洗いも意識すると効果的です。
絵の具汚れは一ヶ所で済まないからこそ、広がる前の「防止策」が何より大切です。
お掃除便利グッズ(メラミンスポンジ・スプレー)活用法
絵の具汚れを落とすには、使う道具も重要です。
中でもメラミンスポンジとお掃除スプレーの組み合わせは非常に便利。正しい使い方を知っておくことで、効果を最大限に活かせます。
メラミンスポンジは、水だけで使うのが基本。
洗剤をつけるとスポンジがすぐに崩れてしまうことがあるため、少し濡らしてから軽く絞って使用します。
絵の具がついた壁や机などに軽くこすりつけると、表面の汚れを削ってくれる仕組みです。ただし、光沢のある素材や壁紙には要注意。表面が傷ついたりツヤが消えることがあります。
お掃除スプレーは、「中性洗剤タイプ」や「アルカリ電解水タイプ」が使いやすく、水性絵の具に対して高い洗浄効果があります。
床やカーペットには、スプレーしてから数分置き、布やスポンジで拭き取るのが基本です。
どちらも万能ではないので、「場所」「素材」「汚れの種類」によって使い分けることが成功のコツです。
おすすめ市販洗剤・クリーナーの選び方
市販の洗剤やクリーナーは種類が豊富で、どれを使えばよいか迷う方も多いはず。
絵の具汚れに効果的な市販アイテムを選ぶには、「中性洗剤」「酸素系漂白剤」「マイルドな溶剤系クリーナー」の3つを覚えておくと便利です。
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中性洗剤(食器用洗剤など):水性絵の具に最適。ぬるま湯で薄めて使うことで、衣類やカーペットの汚れにやさしく対応できます。
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酸素系漂白剤(オキシクリーンなど):色柄物にも使える漂白剤で、つけ置き洗いに最適。ただし長時間のつけ置きは色落ちの可能性もあるため注意が必要です。
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溶剤系クリーナー(ベンジン・リムーバー):油性やアクリル絵の具に強力。換気・手袋・テスト使用が必須ですが、落ちにくい汚れにはこれが最後の切り札。
それぞれの洗剤には向き・不向きがあるので、「使う場所」「汚れの種類」「素材の性質」に合わせて選びましょう。
絵の具前にやるべき「お支度チェックリスト」
子どもが絵の具遊びをするとき、「汚さないようにしなさい」と注意するよりも、事前の準備でトラブルを防ぐ方がずっと効果的です。
ここでは、絵の具遊びを始める前に親子で一緒に確認できる「お支度チェックリスト」を紹介します。
✅ スモック・エプロンを着ているか?
→ 衣類を守る基本。長袖タイプなら袖の汚れも防げます。
✅ 床や机に新聞紙やビニールシートを敷いたか?
→ 絵の具が垂れても安心。片付けも簡単になります。
✅ カーペットやラグがある場所は避けたか?
→ 可能ならフローリングや屋外など、汚れてもすぐ拭ける場所がベスト。
✅ ティッシュや濡れタオルがすぐ手に届くところにあるか?
→ 汚れたら即対応!この準備が汚れの広がりを防ぎます。
✅ 使い終わったら手を洗う約束ができているか?
→ 汚れを部屋中に広げないために、ルールを先に決めておくと◎
このチェックリストを印刷して冷蔵庫やリビングに貼っておくと、子どもも自分で準備ができるようになります。
「楽しく遊ぶための準備」だと伝えれば、子どもも前向きに参加してくれますよ。
親子で楽しく片付け!お掃除ゲームのすすめ
絵の具遊びの後の片付け、毎回親だけがやっていませんか? 実は、片付けも「遊びの一部」に変えることで、子どもも進んでお掃除をしてくれるようになります。
たとえば、こんなふうに「ゲーム化」してみましょう。
🎲 お掃除ビンゴ
→ 片付け項目(筆を洗う・机を拭く・スモックを脱ぐなど)をビンゴカードにして、全部できたらシールやおやつのごほうび!
⏱ タイムチャレンジ
→ 「3分以内に新聞紙を全部片づけられるかな?」と声かけ。タイマーを使うと子どもはワクワクします。
🎯 よごれ発見ハンター
→ 絵の具が飛んでしまった場所を探して、「ここにもついてたよ!」と報告してくれたらハンター成功!
こうした工夫をすることで、親が怒らなくても自然と片付けができるようになります。何よりも大切なのは、「キレイにすると気持ちがいい!」という感覚を子ども自身が体験すること。
片付けを教えるのではなく、一緒に楽しみながら身につける。これが習慣化の一番の近道です。
スモック・敷物・汚れ防止の環境づくり
絵の具遊びをするたびに服や床が汚れる…それなら、汚れる前提で環境を整えることが一番の近道です。
簡単にできて効果バツグンの「汚れない仕組みづくり」を紹介します。
まずはスモックやエプロンの着用。
100均やネットショップで可愛いデザインのものが手に入り、子どもも進んで着てくれます。サイズはやや大きめを選び、袖口がゴムになっているとより安心です。
床や机には、使い捨てのビニールクロスや新聞紙を敷くだけでOK。
最近ではおしゃれな絵の具用マットも販売されており、インテリアになじむものも増えています。
絵の具の容器はこぼれやすいので、カップホルダーやトレイの上に置くと倒しても被害が最小限で済みます。
筆洗いや雑巾も、あらかじめ近くに置いておけば移動中のポタポタ汚れも防げます。
こうした「仕掛け」を用意しておくことで、絵の具遊びに対するストレスがぐっと減り、親子ともに楽しめる時間になりますよ。
子どもが片付けに前向きになる声かけ例
絵の具遊びの後の片付けで「早く片づけなさい!」と怒ってしまう…。それ、よくあることですが、声かけ次第で子どもの行動はガラッと変わります。
たとえば、こんな声かけがおすすめです。
✅「今日もたくさん描いたね!机もお絵かきしちゃったみたい」
→ 汚れを“失敗”として怒るのではなく、“作品”として受け止める姿勢。
✅「筆もお風呂入りたそうだよ〜」
→ 道具を擬人化すると、子どもは楽しく片付けに向き合えます。
✅「どっちが早く片付けられるか競争しよう!」
→ ゲーム感覚を取り入れるとやる気UP。
✅「キレイにしたら次はもっといっぱい描けるよ」
→ 片付け=次の楽しみに繋がるとイメージさせる。
✅「ありがとう、助かったよ!」
→ 片付けを終えたときには必ず感謝を伝える。これが一番のモチベーションになります。
子どもは怒られて行動するよりも、「楽しい」「ほめられる」ことで自発的に動けるようになります。声かけ一つで親子関係もグッと良くなりますよ。
汚れを責めない工夫が子どもを育てる
絵の具遊びで服が汚れた、床に色が飛んだ…。そんな時、大人が怒ってしまうのはよくあることですが、「失敗」ではなく「経験」として受け止める姿勢が子どもの成長を促します。
子どもにとって絵の具は、自己表現や感情の発散、創造性を養う大切な道具です。
少し汚したからといって厳しく叱ると、自由に表現することや挑戦する気持ちが縮こまってしまうかもしれません。
汚れたら片づければいい、という「リカバリー力」こそ、将来必要とされる生きる力です。
大人が「どうして汚したの!」ではなく「どうやってキレイにしようか?」と一緒に考えることで、問題解決力や自立心が自然と育ちます。
もちろん、毎回片付けまできちんとできるようになるには時間がかかります。
大切なのは、繰り返し声をかけ、成功体験を積ませていくことです。
「汚しても大丈夫」「片付ければいい」という安心感が、子どもに自信と自由を与えます。
そして、その経験が将来「自分で考えて動ける子」を育てる土台になります。
よくある質問Q&A!絵の具汚れの疑問を一挙解決
Q1. 制服についた絵の具、学校でどうすればいい?
A. まずは、乾く前にティッシュやハンカチで軽くたたいて絵の具を吸い取ることが第一です。
水道が使えるなら、濡らしたハンカチでポンポンとたたいておくと、帰宅後の洗濯がかなりラクになります。
汚れが目立つようなら、先生に事情を伝えて、着替えを借りる・持ち帰って対処するなどの柔軟な対応を。ランドセルに携帯しみ抜きシートを入れておくと安心ですよ。
Q2. 白いシャツに赤い絵の具がついたら、もう落ちない?
A. あきらめないでください!赤い絵の具は目立ちますが、水性なら早めの対処でかなり落ちます。
歯磨き粉や重曹ペーストを使って軽くこすったあと、ぬるま湯と中性洗剤で丁寧にもみ洗いしましょう。
完全に落ちなくても、酸素系漂白剤を使って薄くすることで、かなり目立たなくなります。最悪の場合は、ワッペンで隠すなどの工夫も◎。
Q3. 壁紙が染まってしまった…DIYで修復できる?
A. 可能です!軽い汚れなら、メラミンスポンジや中性洗剤でトントンとたたくことで落ちることもあります。
どうしても落ちない場合は、ホームセンターなどで購入できる「壁紙用補修シート」や「リメイクシート」を活用してみましょう。
柄付きの壁紙なら、同系色のマステやシールでアレンジするのもおすすめです。
Q4. 絵の具汚れは落ちたけどニオイが残ってる…どうすれば?
A. 絵の具の種類や使った洗剤によって、においが残ることはよくあります。
その場合は、重曹をふりかけて1晩置き、翌朝掃除機で吸い取るとニオイが軽減します。
衣類であれば、クエン酸(またはお酢)をぬるま湯に混ぜた液に10分ほどつけてから洗い流すと、臭い成分が中和されます。
Q5. 結局、一番手軽で万能な絵の具汚れの落とし方って何?
A. 「歯磨き粉+ぬるま湯+古歯ブラシ」の組み合わせが、汚れに最も広く対応できる王道テクです。
これに中性洗剤や重曹を組み合わせれば、ほとんどの水性・アクリル絵の具に対処できます。
まずはこのセットを試し、それでもダメならベンジンや漂白剤などの強力アイテムを検討しましょう。
絵の具汚れの総まとめ!覚えておきたい対処・予防の黄金ルール
絵の具の汚れに直面したとき、慌てず対応できるようになるには、「早期対処・素材に合わせた対応・予防の工夫」の3本柱がカギです。
まず、乾く前の応急処置が何より重要。汚れに気づいたらすぐに、ポンポンとたたいて吸い取り、濡らして乾燥を防ぐことで、その後の処理が劇的にラクになります。
次に、絵の具や素材の性質を理解し、水性・油性・アクリルなどの違いに応じた正しい方法で落とすことが大切です。
強くこすらず、やさしく「浮かせて落とす」イメージで対応しましょう。
また、家庭にある便利グッズや100均アイテムを活用することで、コストをかけずに汚れ対策が可能です。
撥水スプレーやしみ抜きシート、メラミンスポンジなどを備えておくと安心です。
そして忘れてはいけないのが、「汚れない環境づくり」。
スモックや敷物の活用、親子でできる片付け習慣などを通じて、絵の具遊びをもっと楽しく、もっと自由にしていきましょう。
「汚れは成長の証」「片付けは学びの場」
この記事を参考に、絵の具汚れの不安を楽しさに変えていけたら嬉しいです!